アルカリ除去剤を「材料費」で考えていませんか?美容室の利益構造を変える残留アルカリ対策
「カラーのお客様は多いのに、なかなか利益が残らない」
「トリートメントを提案しても単価が上がらない」
「スタッフによって再来率に差がある」
「お客様の髪を本当に長くきれいにできるサロンにしたい」
美容室経営をしていると、こんな悩みを感じることがあります。
そこで多くの経営者が考えるのが、
もっと単価を上げよう。
もっとトリートメントを売ろう。
もっと店販を伸ばそう。
ということです。
もちろん、どれも大切です。
でも僕は、その前に考えてほしいことがあります。
それは、
今やっているカラー施術そのものに、まだ改善できる部分はないか?
ということです。
その一つが、
「残留アルカリ」への考え方です。
カラーは「染めたら終わり」ではない
美容室にとってヘアカラーは、大きな売上をつくる重要なメニューです。
しかし経営者として考えたいのは、
今日、きれいに染まったかだけではありません。
次回来店まで、どんな状態で過ごしていただけるのか。
そして、
半年後。
1年後。
5年後。
10年後。
お客様がカラーを続けながら、どんな髪でいられるのか。
ここまでが、本当の商品設計だと思っています。
カラーやパーマなどの薬剤を使った施術では、施術後の髪にアルカリ成分などが残留する可能性があります。
だからこそ、施術後の処理まで含めて考える必要があります。
ここで使われるのが、
アルカリ除去剤です。

アルカリ除去剤を「余計な材料費」と考えてしまう
経営者になると、材料原価を見ることは非常に重要です。
カラー剤。
シャンプー。
トリートメント。
処理剤。
一つひとつ積み重なれば、大きな金額になります。
だから、
「使わなくても仕上がるなら、使わなくてもいいのでは?」
と考えたくなる気持ちも分かります。
でも、ここで考えたいことがあります。
材料原価を数十円下げることと、お客様が長く通ってくれること。
どちらが美容室経営に大きな影響を与えるでしょうか。
僕は、
原価率だけではなく、顧客生涯価値まで見る必要がある
と思っています。
本当に見るべきなのは「1回の利益」ではなく「次回来店」
例えば、カラーのお客様が来店されたとします。
カラーをして、
シャンプーして、
トリートメントをして、
きれいに仕上げる。
その日は満足して帰っていただけた。
ここだけ見れば問題ありません。
しかし、本当に大切なのはその後です。
お客様は次回来店まで、毎日その髪で生活します。
そこで、
「前より髪が扱いにくくなった」
「カラーを繰り返すと毛先が気になる」
「最近、髪のツヤがなくなってきた」
と感じるようになれば、
いつか、
「カラーすると傷むから、回数を減らそうかな」
と思うかもしれません。
美容室側からすると、これは大きな機会損失です。
アルカリ除去剤は「処理剤」ではなく未来への投資
僕は、アルカリ除去剤を単なる処理剤として考えない方がいいと思っています。
カラー施術を、次回来店につなげるための工程
として考える。
すると見え方が変わります。
カラーを塗る。
↓
きれいに発色させる。
↓
シャンプーする。
↓
施術後の髪の状態まで考えて処理する。
↓
ホームケアにつなげる。
↓
次回来店まできれいな髪を目指す。
ここまでを一つの商品として設計する。
つまり美容室が売っているものは、
「カラー」という作業ではありません。
「これからもカラーを楽しめる髪をつくっていくこと」
なのだと思います。

「トリートメントを売る」から「カラー後の髪を管理する」へ
トリートメント比率を上げたい美容室は多いと思います。
でも、
「カラーと一緒にトリートメントはいかがですか?」
だけでは、
お客様にとっては追加メニューです。
当然、
「今日は大丈夫です」
となることもあります。
では、考え方を変えてみます。
カラーをした髪を、施術直後から次回来店までどう管理するのか。
この視点から、
アルカリ除去。
サロントリートメント。
ホームケア。
次回来店。
までを一つの流れにする。
すると、トリートメントは「追加で売る商品」ではなく、
お客様の髪の未来を守るためのケア
になっていきます。
スタッフによって説明が違うことも機会損失
もう一つ、経営者に見てほしいポイントがあります。
それは、
スタッフ全員が同じ考え方でカラーを提供できているか
です。
あるスタッフは、
「カラー後は残留物まで考えましょう」
と説明する。
別のスタッフは何も説明しない。
あるスタッフはホームケアまで提案する。
別のスタッフは仕上げたら終わり。
これでは、お客様が受け取る価値が担当者によって変わってしまいます。
経営者がつくるべきなのは、
売れる美容師を増やすことだけではありません。
誰が担当しても、
「なぜこの工程をするのか」
「今日の髪に何が必要なのか」
「家では何をすればいいのか」
まで一定水準で説明できる仕組みをつくることです。
アルカリ除去を「見えないサービス」にしない
ここは非常に重要です。
良いことをしていても、
お客様に伝わっていなければ価値になりにくい。
例えばカラー後にアルカリ除去剤を使っていたとしても、
何も説明せずにバックシャンプーで使用すれば、お客様には分かりません。
だから、
「カラーしたので、今日は施術後の髪の状態まで考えて処理していきますね」
と説明する。
大切なのは難しい成分説明ではありません。
なぜ、お客様の髪にこの工程が必要なのか。
ここを伝えることです。
すると、
「カラーを塗って流しているだけ」
だったものが、
「私のこれからの髪まで考えてくれている」
という価値に変わります。

値上げの前に「今ある施術の価値」を上げる
材料費。
人件費。
光熱費。
広告費。
さまざまなコストが上がる中で、美容室も価格を見直す必要があります。
しかし、
価格だけを上げて、
提供している内容が今までと同じなら、お客様は値上げと感じます。
反対に、
カラー後の処理。
トリートメント。
ホームケア。
次回来店までの提案。
ここまでを一つのサービスとして設計できれば、
カラーそのものの価値を高めることができます。
つまり、
値段を上げる前に、
「カラーという商品の中身」を見直す。
これも利益構造を改善する方法の一つです。
アルカリ除去から店販までつなげる
さらに大切なのがホームケアです。
美容室できれいにできるのは、年間のうち限られた日数しかありません。
ほとんどの日は、お客様自身が自宅で髪を扱います。
だから、
サロンで残留物に向き合う。
↓
髪の状態を整える。
↓
自宅で適切なシャンプー・トリートメントを使う。
↓
ドライヤーや日常ダメージから髪を守る。
↓
良い状態で次回来店してもらう。
この循環をつくる。
店販は、
商品を売るために存在するのではありません。
美容師がお客様の髪を、
次回来店まで管理するための仕組み
だと僕は考えています。
Viváte Hも「髪の健康寿命をのばす。」ことを目的に、サロンで整えた状態を365日のホームケアへつなげるという考え方で設計しています。
「アルカリ除去剤を使うか」ではなく「何を売っている美容室なのか」
最終的にはここだと思います。
美容室は、
カットを売っているのでしょうか。
カラー剤を売っているのでしょうか。
トリートメントを売っているのでしょうか。
僕は違うと思っています。
美容室が本当に提供しているものは、
お客様がこれから先も、自分の髪を好きでいられる未来
です。
そう考えれば、
カラー。
アルカリ除去。
トリートメント。
ホームケア。
次回来店。
これらは別々の商品ではありません。
すべて、
「髪の美しさの健康寿命をのばす」
という一つの目的につながります。

まとめ|アルカリ除去剤は「原価」ではなく利益構造から考える
美容室経営では、材料原価を管理することは大切です。
しかし、
原価を下げることだけが利益改善ではありません。
お客様が長くカラーを楽しめる。
髪の状態が良くなる。
美容師への信頼が高まる。
ホームケアの必要性が伝わる。
次回来店につながる。
そして、お客様一人ひとりとの関係が長く続く。
この構造をつくることも、
美容室の利益構造を改善する方法
だと思っています。
だからアルカリ除去剤を見るときも、
「1回いくらかかるのか?」
だけで判断しない。
「この工程によって、お客様にどんな価値を届けられるのか?」
「その価値が、再来・単価・店販・利益にどうつながるのか?」
まで考える。
売上を上げるために、
もっとお客様を集め続ける経営から、
今来てくださっているお客様に、もっと長く価値を届けられる経営へ。
美容師の給料を上げ、
美容師という仕事をもっと報われる仕事にしていくためにも、
こうした一つひとつの施術工程を、
「コスト」ではなく「価値」から見直すこと。
それが、美容室の利益構造を変える第一歩だと思っています。