美容師の将来が不安な人へ|店販とリピーターが“長く選ばれる美容師”をつくる理由

この記事の目次
- 1 美容師が将来に不安を感じるのは、技術が足りないからだけではない
- 2 店販を「商品を売る仕事」と考えると苦しくなる
- 3 店販がリピーター定着につながる理由
- 4 リピーターが増えると美容師の働き方は変わる
- 5 店販ができる美容師は「売るのが上手い美容師」ではない
- 6 リピーターを増やすために店販より先に必要なこと
- 7 「次回予約を取ること」と「リピーターになること」は同じではない
- 8 店販・リピーター・技術売上を別々に考えない
- 9 美容師の将来不安を減らすのは「自分を選んでくれるお客様」の存在
- 10 10年後も必要とされる美容師を育てたい
- 11 「売れる美容師」ではなく「長く選ばれる美容師」へ
- 12 美容師としての将来を考えている方へ
- 13 まとめ|店販とリピーター定着は美容師の未来をつくる
「このまま美容師を続けていて、10年後もちゃんと働けているだろうか」
「若いうちは頑張れるけど、ずっと新規のお客様を追い続ける働き方でいいのかな」
「売上を上げたいけど、店販をすすめるのは苦手」
「もっとリピーターを増やしたいけど、何を変えればいいのか分からない」
美容師を続けていると、ふと将来が不安になる瞬間があります。
僕自身、美容師という仕事の価値を考えるとき、技術売上だけを追い続けることが答えではないと思っています。
もちろん、カットやカラーの技術を磨くことは大切です。
でも、10年後もお客様から必要とされる美容師になるためには、「今日きれいにする技術」だけではなく、「次回来店まできれいを守る提案」と「またこの人にお願いしたいと思ってもらえる関係」をつくることが必要です。
そこで大切になるのが、店販とリピーターです。
店販は、商品を売るためだけの仕事ではありません。
リピーターを増やすことも、ただ次回予約を取ることではありません。
僕たちは、店販とリピーター定着は、お客様の髪に長く責任を持ち、美容師自身が長く選ばれ続けるための大切な仕事だと考えています。
美容師が将来に不安を感じるのは、技術が足りないからだけではない

美容師の仕事は、技術職です。
だから将来が不安になると、「もっとカットが上手くならないと」「もっとカラーを勉強しないと」と考えやすいと思います。
もちろん技術力は必要です。
ただ、技術が上手いだけで将来の不安がすべてなくなるわけではありません。
新規のお客様が来なくなったら売上が下がる。
毎月ゼロから予約を埋めなければならない。
指名のお客様がなかなか増えない。
忙しいのに売上や給料が思うように上がらない。
そんな状態が続けば、「自分は何歳までこの働き方を続けられるんだろう」と感じるのは自然なことだと思います。
ここで考えたいのが、目の前の売上だけではなく、自分を継続して選んでくださるリピーターがどれだけいるかです。
リピーターが増えるということは、お客様との信頼が積み重なっているということ。
そして、その信頼を来店日だけで終わらせないために役立つのが店販です。
店販を「商品を売る仕事」と考えると苦しくなる

「店販が苦手です」
美容師から、そんな言葉を聞くことがあります。
その気持ちはよく分かります。
店販を「シャンプーを売る」「トリートメントを売る」「売上をつくる」とだけ考えれば、どうしても営業のように感じてしまいます。
お客様に嫌がられたらどうしよう。
押し売りだと思われたくない。
断られるのが怖い。
そう思うと、店販の話そのものを避けたくなります。
でも、本来の店販は違うと僕は考えています。
たとえば、サロンできれいにカラーをしても、ご自宅での洗い方や乾かし方、使うヘアケアによって次回来店までの髪の状態は変わります。
美容室にいる2時間だけ髪を見て、残りの日常について何も伝えない。
それでは、お客様の髪に本当の意味で長く向き合っているとは言い切れないのではないでしょうか。
店販とは、商品を渡すことがゴールではありません。
「なぜ今このケアが必要なのか」
「自宅では何を気をつけたらいいのか」
「次回来店までどうやってきれいを保つのか」
そこまで伝えることが店販の価値だと思っています。
店販がリピーター定着につながる理由

店販とリピーターは、一見すると別々の数字に見えます。
店販は物販売上。
リピーターは再来店。
でも、お客様の立場から見ると、この2つはつながっています。
美容室で施術を受けた日に満足していただく。
自宅に帰ってからも、教えてもらったケアを続ける。
髪の扱いやすさを感じる。
次回来店したときに、美容師がその後の状態を確認する。
そして、今の髪に合わせて次の提案をする。
この積み重ねによって、お客様は「髪を切ってくれる人」ではなく、「自分の髪を分かってくれている人」と美容師を認識するようになります。
そこまで関係が深まると、価格やクーポンだけではない来店理由が生まれます。
僕は、これがリピーター定着の大きなポイントだと思っています。
店販をきっかけにホームケアまで関わることで、来店と来店の間にも美容師の提案が残ります。
だから店販は、リピーターとの関係を深める接点にもなります。
リピーターが増えると美容師の働き方は変わる

リピーターが少ない状態では、常に新規集客が必要になります。
今月予約が埋まっても、来月は分からない。
新規のお客様が来ても、次につながらなければ、また新しいお客様を探さなければならない。
これでは、美容師も美容室も疲弊しやすくなります。
一方で、自分を信頼して通ってくださるリピーターが少しずつ増えていけば、働き方は変わっていきます。
「次回もお願いします」
「前に教えてもらったケア、続けています」
「この前の店販の商品がなくなりそうです」
「次はどんな髪型がいいと思いますか?」
こんな会話が増えていく。
僕は、美容師の価値はこういうところに表れると思っています。
売上が高いから価値があるのではなく、お客様から「あなたに任せたい」と言っていただける関係が増え、その結果として売上が積み上がっていく。
リピーター定着とは、数字だけではなく、美容師として積み上げてきた信頼の結果でもあります。
店販ができる美容師は「売るのが上手い美容師」ではない

店販が得意な美容師を見ると、「話が上手いから売れる」と思うかもしれません。
でも僕は、本当に店販ができる美容師は、販売トークが上手い人ではなく、お客様をよく見ている人だと思っています。
髪のどこに悩んでいるのか。
朝、何に困っているのか。
カラーをどのくらいの周期でしているのか。
アイロンを毎日使うのか。
乾かす時間はどのくらい取れるのか。
そうした背景を聞いたうえで、「この人には何が必要か」を考える。
必要がなければ、無理に店販をすすめる必要はありません。
必要な理由があるなら、プロとして伝える。
この姿勢が大切です。
店販を「販売」から「診断と提案」に変えると、美容師側の気持ちも変わります。
そして、お客様に合った提案が積み重なるほど、リピーターとの信頼関係も深まりやすくなります。
リピーターを増やすために店販より先に必要なこと

ここで勘違いしてほしくないのは、「店販を増やせば自動的にリピーターが増える」という話ではないことです。
商品だけすすめても、お客様との信頼は生まれません。
まず必要なのは、カウンセリングです。
僕たちは美容師の仕事を、「診断→設計→理由説明→施術→次回提案」という流れで考えています。
最初に悩みを聞く。
髪の状態を見る。
なぜその状態になっているのかを考える。
今日どんな施術をするのかを説明する。
施術後には、自宅で必要なケアと次回来店の目安を伝える。
この流れの中に店販が入ります。
つまり、店販だけが突然存在するわけではありません。
カウンセリングで聞いた悩みに対する解決策の一つとして店販があり、その先に次回来店があり、少しずつリピーターとして定着していく。
この順番が大切だと思っています。
「次回予約を取ること」と「リピーターになること」は同じではない

リピーターを増やそうとすると、次回予約率を追いかけることがあります。
もちろん次回予約は大切です。
でも、予約を取ること自体が目的になると、お客様との関係が数字中心になってしまいます。
なぜ次は6週間後なのか。
そのとき髪はどうなっているのか。
次回は何をするのか。
それまで自宅で何をしてほしいのか。
ここまで説明できて初めて、次回予約に意味が生まれます。
店販も同じです。
「このシャンプーがおすすめです」だけではなく、「今日の髪の状態だから、このケアを家でも続けてほしい」と理由まで伝える。
リピーター定着に必要なのは、予約を取る技術や店販トークではなく、お客様の未来を一緒に考える力です。
店販・リピーター・技術売上を別々に考えない

美容室では、技術売上、店販比率、次回予約率、リピーター率など、いろいろな数字を追います。
数字を見ることは大切です。
ただ、数字を別々に追いかけすぎると、本来の目的を見失うことがあります。
店販目標を達成するために商品をすすめる。
リピーター率を上げるために次回予約をすすめる。
客単価を上げるために追加メニューをすすめる。
これだけでは、スタッフも苦しくなります。
僕たちが考えたいのは、すべてを「お客様の10年後の髪と地肌を守る」という一本の線でつなぐことです。
今日の施術で髪を整える。
店販を通じて自宅でのケアを支える。
次回来店のタイミングを伝える。
また髪を見せてもらう。
状態に合わせて施術を変える。
その繰り返しがリピーター定着につながります。
結果として技術売上や店販売上が積み重なる。
数字は目的ではなく、お客様との関係を積み重ねた結果として見ることが大切だと思います。
美容師の将来不安を減らすのは「自分を選んでくれるお客様」の存在

美容師の将来を考えたとき、技術だけで他の美容師と差をつけ続けるのは簡単ではありません。
新しい技術も、新しい薬剤も、新しいトレンドも次々に出てきます。
だからこそ、最後に残るのは「誰にお願いしたいか」だと思っています。
自分の髪を理解してくれている。
無理な店販をしない。
必要なものは理由を説明してくれる。
次回どうすればいいか教えてくれる。
前回の悩みを覚えていてくれる。
そんな小さな積み重ねがリピーターをつくります。
そして、リピーターが増えるほど、「来月お客様が来てくれるか分からない」という不安は少しずつ変わっていきます。
店販も、その信頼関係をつくる一つの手段です。
だから僕は、美容師の将来を考えるとき、店販とリピーター定着を売上の話だけで終わらせたくありません。
10年後も必要とされる美容師を育てたい

僕たちが大切にしているのは、「10年後の髪と地肌を守る」という考え方です。
これは、お客様に対してだけの言葉ではありません。
美容師自身にも、10年後があります。
今だけ売れればいい。
今月の店販目標だけ達成すればいい。
今月リピーターが増えればいい。
そうではなく、5年後、10年後にも「あなたにお願いしたい」と言ってくださるお客様をどれだけつくれるか。
そのためには、技術だけではなく、診断する力、説明する力、提案する力、ホームケアまで考える力が必要です。
店販を通じて、お客様の日常まで考えられる美容師になる。
リピーターとの関係を通じて、一人ひとりの髪の変化を長く見られる美容師になる。
僕たちは、そんな美容師が増えることが、美容師という仕事そのものの価値を上げることにつながると考えています。
「売れる美容師」ではなく「長く選ばれる美容師」へ

美容師として将来が不安なら、売上だけを見るのではなく、自分のお客様との関係を一度見直してみてほしいと思います。
自分には、何年も通ってくださるリピーターが何人いるだろう。
お客様の自宅でのケアまで把握できているだろうか。
店販を、売上ではなく必要な提案として伝えられているだろうか。
次回来店の理由を、自分の言葉で説明できているだろうか。
ここが変わると、美容師としての働き方も少しずつ変わります。
店販は、お客様の生活に美容師の価値を届ける方法の一つ。
リピーターは、その価値を感じて「またお願いしたい」と戻ってきてくださるお客様です。
店販とリピーター定着を正しく考えることは、目先の売上だけではなく、自分自身の美容師人生を長く安定させる土台にもなります。
美容師としての将来を考えている方へ

もし今、
「今の働き方をこの先も続けられるか不安」
「もっとお客様と長く関われる美容師になりたい」
「店販を押し売りではなく、本当に必要な提案として学びたい」
「リピーターが自然に増えるカウンセリングや提案力を身につけたい」
と感じているなら、働く美容室を選ぶときに、給与や休日だけでなく「どんな美容師を育てようとしている会社なのか」も見てみてください。
店販のノルマだけを追うのか。
リピーターの数字だけを追うのか。
それとも、お客様の髪と人生に長く向き合える美容師を育てようとしているのか。
この違いは、数年後の美容師人生に大きく関わってくると思います。
僕たちは、お客様の美しさの寿命を伸ばすことと同じように、美容師が長く誇りを持って働ける環境をつくりたいと考えています。
興味を持っていただけたら、まずは採用情報を見るだけでも、サロン見学で実際の空気を感じていただくだけでも構いません。
美容師としての将来を考える時間が、次の一歩を考えるきっかけになればうれしいです。
まとめ|店販とリピーター定着は美容師の未来をつくる
美容師の将来が不安になったとき、「もっと売上を上げなければ」と焦ってしまうことがあります。
でも、本当に長く働き続けるために必要なのは、売上だけではないと思っています。
目の前のお客様の悩みを知る。
必要な技術を提供する。
必要なら店販でホームケアを提案する。
次回来店までの過ごし方を伝える。
また来てくださったときに、前回からの変化を見る。
この繰り返しがリピーターをつくり、リピーターとの長い関係が美容師としての自信と価値を積み上げていきます。
店販は「売る仕事」ではありません。
リピーターは「数字」ではありません。
その先にいる一人のお客様と、どれだけ長く向き合えるか。
僕たちは、そこに美容師という仕事の大きな価値があると考えています。
10年後も「あなたにお願いしたい」と言ってもらえる美容師へ。
そのための技術と考え方を、これからも大切にしていきたいと思います。